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2015年9月16日 (水)

Stein, Recherches sur l'epopee et le barde au Tibet

R. A. SteinのRecherches sur l'épopée et le barde au Tibet (1959)は、チベット学Img_0345にとって必携の書であるにもかかわらず全然手に入らないので有名な本ですが、最近ラッキーにも、古本屋で3000円(!)で買うことができました。しかもアンカット本。これは嬉しい!

しかしこの本はどうして再販しないのだろうか。もし再販されたらチベット学と周辺をやっている人はみんな買うと思う。
なお前掲本はBibliothèque de l'institute des Hautes Études Chinoisesシリーズのvolume XIIIにあたりますが、同シリーズのうちvolume VII
P. Demiéville, Le concile de Lhasa (1952)
は同じくチベット学必携書ですが、1987年に再販されたので比較的手に入れやすいのです。しかも1987年版は初めからページカットされていて製本も比較的堅牢ですから使いやすい。アンカット本は製本することが前提ですから、まあ弱いです。
話は逸れますが、最近故佐藤長先生旧蔵Le concile de Lhasaを手にいれることができました。全部ページが切られており、またところどころ朱・墨の書き込みがあって、しっかり読み込まれていたことがうかがわれます。

2015年5月 6日 (水)

岩本篤志『唐代の医薬書と敦煌文献』

岩本先生に御著書をいただきました。ありがとうございます。


内容は当然素晴らしいのですが、定価が3780円(税込)なのは本当にありがたい。日本の学術書、特に歴史系は基本的に高価になりがちなので、ちょっと分野が違うと手をだしにくいのが常です。その点、3000円前後だと手にとろうかという気にもなります。こういった形の出版が増えると結果的に購入者層の裾野が広がるようにも思います。



2015年3月28日 (土)

『敦煌写本研究年報』9

今年も出版されました、『敦煌写本研究年報』。はや、9号です。

前号より若干薄いですが、内容はバラエティに富んでおります。以下の10篇収録です。
高田時雄「日蔵敦煌遺書の来源と真偽問題」
荒見泰史「仏教儀礼の構造と文体」
大西磨希子「五月一日経『宝雨経』余滴」
永田知之「『文場秀句』補説ー『敦煌秘笈』羽072と『和漢朗詠集私注』」
高井龍「Ф96「双恩記」写本の基礎的研究ー特に各巻の写本の相違に着目して」
山本孝子「敦煌発見の書簡文に見える「諮」ー羽071「太太与阿耶、阿叔書」の書式に関連して」
佐藤礼子「道液維摩疏の受容を示す一写本ー羽094Rと北大蔵D245について」
田衛衛「従中原到敦煌ー<<秦婦吟>>伝播原委新探」
道坂昭広「日本伝存『王勃集』残巻景印覚書」
岩尾一史「敦煌莫高窟とT型題字枠再論」

2015年1月18日 (日)

敦煌學國際學術研討會・京都2015

『敦煌學國際學術研討會・京都2015』が京都大学で開催されます。

場所:京都大学百周年時計台記念館 国際交流ホールI・II
日時:2015年1月29日(9:30-18:30)・30日(10:30-17:00)

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予約不要・聴講無料
「二十世紀初頭、京都において「敦煌学」という新たな学問分野が日中学者の協同によって打ち立てられた。而来、敦煌学は深化発展し、近年は日本古写本との比較研究が進められるに至った。敦煌学が始まって百有余年、今この京都の地にて国際会議を開催し、敦煌学の意義を問いなおす。」

2015年1月17日 (土)

敦煌再訪

去年の年末、再び敦煌莫高窟で調査をしました。

何人かの敦煌学研究者たちのチームで毎年行っている、年末恒例となりつつある調査旅行なのですが、今回は参加者も最多でした。
調査のターゲットは、莫高窟を始めとする石窟寺院に描かれた寄進者の絵や、参拝者の残した落書きです。それらを調査することによって、敦煌地域の多言語文化の様相を浮き彫りにしようというのが狙いです。実際、漢語だけではなくウイグル語、モンゴル語、西夏語、チベット語を始めとして、様々な時代の様々な言葉・文字の落書きが残っています。パスパ文字やシリア文字、ブラーフミー文字、アラビア文字なんかもあったりします。
チームは各言語の専門家の混成部隊です。各自の専門言語・関心に従って調査をしますから、窟に入ると蜘蛛の子を散らすようにバラバラの方に向かい、一心不乱に落書きを探したり壁画に貼り付いてスケッチをしています。何年も調査をしていますから、各自が自分の仕事を心得ていて、傍からみているとなかなかの壮観です。
私が見ているのはチベット語の文です。大抵の場合は参拝者の落書きなのですが、時々石窟を修理した人の重要な書き込みがあったりして油断は出来ません。ところが面白いのは、それらチベット語の落書きは、書き手がチベット人ではないのです。書き手はどうやら漢人やウイグル人、西夏人などで、彼らがチベット語を使って落書きをしているのですね。では、そのような傾向にはどんな歴史的背景にあるのか、その他の叙述史料や文書史料と組み合わせて、探っていく必要があります。
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2014年9月27日 (土)

ラサ〜サムイェ〜ツェタン

7年ぶりにラサに行きました。

去年夏に青海に行ったチームと共にです。ラサからサムイェ、ツェタンとまわって、計10日ほどの滞在でしたが、多くの成果を得ることができて充実した調査旅行でした。
現在はポタラ宮の前に建つ通称ショル碑文がかつてあったとされる墓を、曖昧な情報を元に探し当てたり、雷雨に怯えつつもツェンポの墓群を調査したり、最後にチベット人発祥とされる洞窟を目指し3時間以上の登山を敢行したりと、盛りだくさんでした。
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ただ個人的には色々とやらかしてしまって、ちょっと反省もしています。のっけから寝
坊してあやうく飛行機に乗り遅れそうになったり、ラサに到着したらはしゃいだあげく
気分が悪くなって、盛大にリバースしたりと、分別盛りの大人とは思えない行動を繰り返してしまいました。しかし同行メンバーも強者揃いで、私のリバース事件も後に爆笑エピソードとして片付けられたので、まあ良しとしましょう。

2014年8月 2日 (土)

東方學研究論集

高田時雄教授退職記念論集である『東方學研究論集』が出版されました。



東方學研究論集刊行會(編)『高田時雄教授退職記念 東方學研究論集』2分冊、京都:臨川書店、2014.06.02.

[日英文分冊](485ページ)、[中文分冊](415ページ)という二分冊で構成された巨冊です。執筆者は合計65名、各国の各分野が重鎮から若手にいたるまで含まれており、錚々たる顔ぶれです。言うまでもなく、これも高田先生の学識の高さと広さ、そしてなによりもお人柄の賜物かと思います。



しかし、これだけの巨冊をまとめた編集委員の方々のご苦労も大変なものであったかと存じます。改めて、執筆者の一人として御礼申し上げます。
なお題字は高田先生ご自身の手になるもので、しかも巻頭には高田先生の御写真も幾つか付されています。1976年パリ撮影のレア写真は必見!

2014年7月29日 (火)

西域出土古藏语田籍初探

2012年に英語で書いた小文が中国語に翻訳されたことを、ひょんなことから知りました。

Iwao, Kazushi. 2012. “Preliminary Study on the Old Tibetan Land Registries from Central Asia.” In 新疆吐魯番学研究院(編) 『語言背後的歴史:西域古典語言学高峰論壇論文集』上海: 上海古籍出版社, pp. 175–182.

http://oversea.cnki.net/Kcms/detail/detail.aspx?filename=XAYJ201402012&dbcode=CJFD&dbname=CJFDTEMP
小文をわざわざ選んで翻訳くださったことは嬉しいのですが、翻訳前か後でも一言連絡をいただけたらさらによかった。いずれにせよ、翻訳くださった先生方に御礼申し上げます。

2014年6月29日 (日)

academia.edu

academia.eduというアカデミックSNS(?)があって、そこに自分の書いたものをアップしたり他の人がアップした論文を読んだりしています。これはかなり便利なサイトで、研究者の方にはお薦めです。

当初は他の人の論文を読みたく思って気軽に登録しただけなのですが、そのうちacademia.eduを経由して僕の仕事内容を知ったという方が声をかけてくださるようなことが何度かありました。また、おかげで海外の学会から呼んでいただくようなことが最近ありました。このサイトによって研究者同士の交流や論文の交換がよりオープンに簡単になったことを実感しています。

利用方法はとても簡単です。名前とemailを入れ、パスワードを設定するだけ。後は自分の所属研究機関を登録すればそれで自分のページが出来上がります。

その後は、知り合いや注目している研究者を検索して、followします。そうするとfollowした人がアップしたものを全て読んだり、ダウンロードすることができます。もちろん誰かがこちらをfollowすることも有るわけで、お互いにアップした文章をダウンロードできるということです。

海外の研究者に自分の研究を知ってもらうためには、これまでは別刷を物理的に渡すか、pdfをメールで送るかというのが普通でした。しかしお互いがacademia.eduに登録さえすれば、自分の論文をアップするだけでとりあえず最低限のアピールができます。特にアメリカ、ヨーロッパのチベット学研究者はすでに多くが登録済ですので、チベット学研究者は今後登録必須になりそうです。

このサイトでもう一つ面白いのは、詳細なアクセス結果が分かるところです。自分のページがどの地域から、何時閲覧されたか、どのようなキーワードで検索されたか、などが分かり、結構な励みになります。

2014年3月25日 (火)

「チベット学の最新情報」

去年の日本チベット学会の後、「チベット学情報交換会」という小会合を開きました。その折、会合だけでなくwebでも情報を発信していくべき、と述べました。そのように述べたのではありますが、いざwebで何かしようとすると、結構難しいのですね。で、凝ったことは諦めて、とりあえずblogで始めました。細かいことは後から考えることにしたわけです。blogのタイトルはそのままズバリ


「チベット学の最新情報」


捻りも何もありませんが、今後チベット関係の情報は上のサイトを中心に発信していくつもりです。

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